チェストの抽斗修理
- Dawner
- 3月10日
- 読了時間: 2分
婚礼家具として20年以上使用しているチェスト。抽斗の開閉に不具合が生じたとのご相談を頂きました。抽斗にはスライドレールが取り付けられていて、このレールに不具合があるのではないか、と。
ご相談時にはお写真も拝見させていただいていましたが、写真だけでは何とも判らなかったため取り急ぎ実物を診させて頂くことに。するとどうやら長年の使用によって本体側板が開いてしまったようで、収まり幅が広がってしまったことでスライドレールの片側が落ちてしまい、開閉に支障を来していたようでした。
正攻法は、本体を一度分解して組み直しを行い、側板の開きを解消するという方法でしょう。しかしそのためには搬出・搬入の手間や、費用、期間といった諸々の課題も付帯する。
他には、例えば本体裏側からプレートをビスとかで打ち付けて開いた側板を無理矢理に戻して固定してしまう、とか。とにかく日常ストレスなく抽斗が使えるようにする、というゴールに対しての道筋はいくらでもあるわけで、お客様とあれやこれやご相談させていただきました。
で、今回は開いてしまった側板の幅に合うように、抽斗側のスライドレール左右共に2.5㎜のスペーサーを挟んで取り付けることにしました。これで+5㎜の開きに対応させます。
搬入搬出の手間もなく、費用も嵩まず、家具への負担も少ない。で、万が一この方法で不具合が生じるようであればすぐに方向転換することも可能。
すっごい簡単な修理、修理とも言えないような応急処置。それでも、原因を探り、方法を思案すること。家具を長く使用できるように考えること。そしてお客様の気持ちの側に立って、互いに考えを共有すること。この修理という仕事の難しさ、面白さ、言ってしまえば醍醐味があったように思います。
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