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椅子のぐらつき修理17 / Pierre Chapo

  • 執筆者の写真: Dawner
    Dawner
  • 3月10日
  • 読了時間: 2分


フランスの家具デザイナー Pierre Chapo(ピエール シャポ)によるスツール。昨年の日仏学院での彼の展覧会はとても人気を博していた様子でした。知り合いの張替職人さんも展覧会に行った後日、特にこのシリーズの脚の構造が興味深かったと話してくださっていたので、私は展覧会には行けなかったため今回の修理は構造を見ることの出来る嬉しい機会でした。デザインを象徴するクロスした3本の脚を留める接合部、脚と座板との接合部はそれぞれ全て木ダボでのジョイントのようで、この接合部が外れてしまったとのご相談を頂きました。


修理自体はさほど難しくはなく、強いて言えばクロスする三角状の脚同士を圧着する際に材を傷めないよう角度に合わせた当て木を作ること。あとは上下に圧着する際に脚が開かないよう工夫しておくことだけ注意しておけば問題は無さそうです。

が、しかし1点。座面と脚との接合が甘すぎるようです。脚に埋まっている木ダボは約8㎜露出している。に対して、座面裏に用意された差し込み深さは約15㎜。空白の7㎜が存在する。そしてどうやら、この空白の7㎜に接着剤がたっぷりと充填されていた訳でもなくて僅かに接着剤のカスが残っている程度。購入して2年ほどで外れてしまうのも納得です。

で、この空白の7㎜を残しておいても強度は出なさそうなので、もともとの木ダボは一度取り除いて新規に交換、空白の7㎜を解消してから再構築をいたしました。



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