デンマーク Borge Mogensen(ボーエ・モーエンセン)によるダイニングチェア『J39』
デンマーク生活協同組合連合会(FDB)の家具部門として1942年に設立されたFDB Mobler
その初代チーフデザイナーとして任命されたモーエンセンには、「広くデンマーク国民に、丈夫で安価で良質な家具」のデザインが求められていました。
そして着任から5年の歳月を経た1947年に完成したのがこの『J39』ダイニングチェア。
以降、デンマークでは「ピープルズチェア」として今でもなお国民に愛されている傑作椅子の一つとなっています。
さらにこの椅子は「丈夫で安価で良質な家具」というコンセプトを実現しただけでなく、複雑な仕口は用いずに、丸棒を組み合わせるだけの単純な構造や、
誰にでも編むことの出来るペーパーコードを取り入れることで、家具の知識が無くても組み立てが出来るよう設計されており
当時、戦後まだ間もない混乱期においては、街の人々を募り歩合制として仕事を与えるという役割をも担いました。
家具を使う人だけでなく、家具を作る人をも幸せにしようという、モーエンセンを始めとした当時のデンマークのデザイナーたちが求めた可能性や
デンマーク社会が培ってきた心の豊かさの本髄に触れることの出来る作品でもあると思います。
単調な構造ではあっても、互い違いに交差する脚部を繋ぐ貫部はデザインにリズムを生み出し、美しいシルエットを醸し出しています。
一枚の無垢板を曲げ木した幅のある背もたれも、背中にフィットして腰の当たりをしっかりとサポートしてくれる居心地の良さがあります。
丈夫な造り、簡素な構造のため、メンテナンスが必要になった際にも対応しやすく、永続的な使用も可能。
永く愛着を持ってお使い頂けると思います。
Condition
オーク材を使用した木部フレームは全体を、一度もともとの塗装や汚れを洗浄後サンディングを施してからオイルとワックスにて再仕上を行いました。
シートのペーパーコードも新規に張替済み。
座面の張替前には、フレームのグラつきのある箇所を一度解体して、圧着修理も施しています。
より詳細のコンディションについて、また倉庫在庫のコンディションなど、希望される場合にはご案内いたしますので直接お問い合わせくださいませ。