1960年代頃のデンマークAR Mobler製ダイニングテーブル
AR Moblerは60年代頃の特にテーブルデザインで時々見かけますが、メーカー自体の詳細はほとんど知られていません。
弊店でもつい先日まで同モデルのサイズ違い(幅120㎝サイズ)を展示していました。→ (7-125 / SOLD)
同じデザインでもサイズの違いにより印象は大きく変わりますが、ディティールはコンパクトなサイズの方が捉えやすいかもしれません。細かなデザインについての言及は7-125のコメント欄にて述べていますので(素晴らしいの一言で締めていますが、、)そちら参考にご確認いただければと存じます。
天板下に拡張するための補助板を格納したこちらのダイニングテーブルは、北欧ヴィンテージ家具ではとてもポピュラーな設計です。手軽に拡げることの出来る構造や使い勝手の良さと、時を経ても色褪せない普遍的なデザイン、造りの良さがその魅力。
デザインはもちろんサイズも個体により様々ですが、平均的なサイズでは通常時130㎝前後、拡張時最大220~230㎝くらいが一般的なように思います。その点こちらのテーブルは通常時166㎝、拡張時最大およそ290㎝とあり平均的なサイズよりも一回り二回り大きな設計が特徴です。
テーブルサイズに関してはお部屋とのバランスが何よりも大切だと思いますが、取り入れられるのであれば大は小を兼ねる、大きめのテーブルを思い切って据えてみても何かと重宝すると思います。が、しかし最大290㎝はなかなかのサイズですね。大き過ぎることで不便なこともいくつか発見しました。
まず一つ目。通常サイズのテーブルの場合には一人でも容易に拡げることが可能な点が魅力です。しかしこちらのテーブルは天板が大きいが故に重く、さらに補助板も広いため動作時には手をいっぱいに伸ばさないとならないタイミングもあったりして、このテーブルの拡張動作に慣れている私でも一人で作業をすると手を挟みそうで少しヒヤヒヤとしました。拡げる際には2名以上での作業をお勧めします。
そして二つ目。天板と補助板が重なったテーブルのため重量は通常サイズでも結構重たいのですが、それに輪をかけてさらに重たい。搬入・搬出時には腕力に自信のある男性2名いれば脚だけを外した状態でも持ち上げて運搬することが可能かもしれませんが、安全を考えて写真のように天板と補助板、幕板とを分解した状態での運搬でも良いかもしれません。(配送をヤマト家財便に依頼をすれば搬入から組み立て設置まで一貫して行っていただけますので基本、心配には及ばないのですが、長い目で見た時にご自身での移送が必要な機会が訪れるかもしれません。念のため確認だけお勧めします。)
今のところ気づいた不便な点としては上記したように重さに起因する事象になりますが、その分使い勝手の良い便利な広さがあります。
脚間も長手におよそ147.5㎝ありますので一般的な椅子であれば写真のように椅子を3脚並べても収まる程。(椅子3脚たしかに収まりますが少々窮屈なので、並べるのであればスツールのような簡易な椅子を組み合わせる、または長手はゆったり椅子2脚を並べて短手にもう1脚椅子を合わる、または補助板を使用する、などのような使い方がスマートだと思います)
恐らくこの拡げられる機構のテーブルでは希少な珍しいサイズになると思いますので、大きなサイズのテーブルをお探しの方は是非一度ご検討くださいませ。
Condition
チーク材を使用した木部は脚先に至るまで全て、古い塗装や汚れを洗浄後サンディングを施してからオイル仕上げ風のウレタン塗装にて再仕上を施しました。表面に厚い被膜を残すような塗装ではなく、オイルを誘導として木材内部でウレタンを硬化させる特殊な塗料です。
マットで自然な艶があり、木の質感をダイレクトに楽しむことが出来る仕上がりですが、高い耐水性能に期待が出来ます。
また先日より家具の仕上げ品質の向上を目的に目の届かない箇所までメンテナンスを徹底しています。
天板の裏側、幕板内部の構造材に至るまできっちりと手を掛けていますので、目で見て手に触れて気持ち良くお使いいただける品質にこだわっています。写真だけでは伝えきれないことも多いです。可能でしたら是非一度実物をご覧くださいませ。
全体的には大きく目立つ傷やダメージはありませんが、天板・補助板に小さな傷は残ります。他、天板の短手一辺にあてた縁材に若干の隙間が生じています。こちらは容易には外れなさそうなため現状のままとしています。お使いいただく中で万が一隙間が開いて外れてしまうなど不具合が生じた際には修理対応させていただきます。
その他気になる点やご不明点などございましたら確認いたしますのでお気軽にお問合せくださいませ。